大雪山 新着情報

(夏山中心)


2002年
10月25日 ロープーウェイ・リフトが運休
(詳細は各HPで) (運休期間)
黒岳ペアリフト 10/15〜11/8 冬山リフトへの切替工事のため
旭岳ロープーウェイ 11/11〜12/10 点検整備のため
10月6日 台風で林道がズタズタ?
10月2日に北海道を縦断した台風21号による大雨の影響で各地の林道がズタズタです。特に大雪山系、日高山系、道東では被害が大きく、登山口への林道が寸断されている箇所もあります。降雪が近いことから修復せず、このまま冬期通行止になるかもしれませんので、入山される方はご注意ください。
大雪山の林道もそろそろ閉鎖です
銀泉台・・・10月3日閉鎖〜2003年6月20日午前11時まで
高原温泉・・・10月11日閉鎖予定(大雪高原山荘の営業は10/11まで)
        沼めぐりコースは10月6日閉鎖予定
愛山渓温泉・・・10月25日閉鎖予定
※積雪等により変更の可能性もあります(問合せ先:上川町役場 01658-2-1211)。
9月24日 大雪山旭岳で初冠雪
24日の朝にかけて降雪があり旭岳は積雪状態になりました。
8月以降何度も降雪がありましたが、麓の気象台から観測できたのは今回が初めてで、やっと初冠雪。その翌日、愛山渓温泉から入りテント泊をしてきました。写真だけですがアップしましたのでご覧ください。
 9/25〜26愛山渓〜黒岳石室
9月17日 紅葉情報?
今年の秋は我が家の休みと天気との相性が悪いようで、残念ながらまだ大雪山の紅葉を見ることができずにいます。伝わってくる情報では、夏場の低温・日照不足・8月下旬以降の降雪等で、葉が落ちたり色付きがイマイチのようです。今後は徐々に山麓へ下ってきますが、期待できるか否かは?です。
生の情報をお届けできず申し訳ありません。最新紅葉情報は下記のサイトをご覧ください。
 層雲峡ビジターセンター便り
白雲岳避難小屋キャンプ地の水が涸れる
9月15日付の「層雲峡ビジターセンター便り」によれば、白雲岳避難小屋キャンプ地の水も取れなくなったそうです。今後は担いで登るか、板垣新道の水を利用してください。
  板垣新道・・・白雲岳避難小屋から、緑岳と小泉岳の稜線上の分岐へ通じる登山道。
          雪渓あり。往復約20〜30分。要煮沸。
その他、水場情報
水が涸れてしまった水場でも降雨(雪)後は取れる場合があります。
全ての水場に共通することですが、夜間から早朝にかけては凍結する可能性が高いので、日中のうちに翌朝分まで確保するよう心掛けてください。
9月14日 繰り返される遭難事故、大雪山系で2名凍死!
防寒・ビバーク装備は必携です!
6・7月に続いてまた遭難死亡事故が起きてしまいました。死因も同じく凍死です。
前回と違う点があるとすれば、登山中の天候の急変でしょうか?
登り始めはまずまずの天気で気温も大して低くはなかったのが、山中ではガスに覆われ気温が急降下(0度前後)。冷たい風雨や吹雪にさらされながら行動した結果「低体温症」に陥り、やがて歩行が困難なって凍死したのではないか・・・と。
加えて、2件の遭難事故に共通するのが地形的要因です。2件とも火山灰台地の稜線で、風雨が強くてもハイマツや岩など身を隠せるような場所がほとんどない地域です。汗や雨で濡れた体が冷たい風にあたると体温は低下し、一気に危険な状態になります。自分の予定ルートがどのような地形で、天候が悪化した時に危険はないのか、緊急避難ルートはあるかなど、予定通りにならない場合を想定しての情報収集も大事です。
8月後半以降、大雪山には秋の気配が漂い、寒気が強弱を繰り返しながら冬へ突入していきます。平野部の天気予報が晴れでも山には寒気の雲がかかるようになり、山中は終日曇り、または晴れても数時間だけということが多くなります。小春日和の平野から眺めていると軽装備でも登れそうに思えますが、標高の高い所は雪が舞う季節になっています。実際、12〜14日にかけて大雪山の二千メートル級の高山帯では降雪があリましたが、近くの旭川では、最低が10℃前後、最高が18℃前後で、特別寒いわけではありませんでした。
高い山に登る時は平野部の気温や天候だけで判断せず、
防寒対策、緊急時のビバーク装備、地図・コンパスの携行、事前の情報収集等は万全にして下さい。

(秋からの必携装備)
我が家の場合、シーズンを通して、たとえ低山でも常時携行しています(保温水筒やアイゼンは状況次第)。

防寒対策
・・・雨具、防寒具(フリース等)、替え下着(長袖シャツやタイツで速乾・保温素材のもの)、替え手袋(防寒)、帽子(耳が隠れるものや目出帽)、カイロ、保温水筒(テルモスなど)、予備のタオルなど。
ビバーク装備・・・簡易テント、シュラフカバー、コンロ(ストーブ)、燃料(ガスカートリッジ等)、コッヘル、ライター(防水マッチ)、非常食、懐中電灯(ヘッドランプ)など。

十勝岳で女性が凍死
13日午前8時ごろ、十勝岳に登った札幌の女性(65)の弟(54)から旭川東署に「姉が意識がなくなり、動けなくなった」と110番通報があった。同日午前9時10分ごろ、道警のヘリが山頂から約500メートル離れた地点で女性を発見、旭川医大へ搬送したが既に死亡しており、死因は凍死だった。
12日午前、女性は弟と日帰りの予定で望岳台を出発し美瑛岳を経て十勝岳に入ったが、風雨が強いうえに冷え込みが厳しかったため女性が衰弱。弟が夜明けを待って一人で白金温泉に下山し、旭川東署に通報した。二人とも寝袋等のビバーク装備を持っておらず、カッパの上下の軽装で夜を明かした模様。
旭岳で男性が凍死
12日午後4時50分ごろ、大雪山系黒岳に登った京都の男性(73)の妻から旭川東署に「下山予定日を過ぎても夫から連絡がない」と電話で届け出があった。同署と上川町遭難対策協議会13日午前6時から捜索を始めたところ、道警ヘリが午前11時5分、旭岳山頂直下のニセ金庫岩付近で男性の遺体を発見した。
黒岳に登った男性が何故旭岳で遺体で発見されたのか、予定ルートなど詳細は不明。
(2件とも、北海道新聞の報道より)
9月9日 秋のマイカー通行規制
今年も混雑が予想される紅葉の時期に合わせて「マイカー通行規制」が行なわれます。今年は新たに「銀泉台」も規制の対象になりましたので、利用される方はご注意ください。
 詳細はこちら
9月9日 黒岳石室の水が涸れる
9月6日付の「層雲峡ビジターセンター便り」によれば、黒岳石室の水が涸れたそうです。今後は担いで登るか、北海沢の水を利用してください。
  北海沢・・・黒岳石室から北海岳方面へ、往復約40分。
  手前の赤石川の水は飲用不可なので間違えないようにして下さい。
白雲岳避難小屋はまだ水が取れるそうです。
9月9日 旭岳山頂付近で女性が骨折
9月5日午後0時15分頃、大雪山旭岳の山頂付近で、女性(59)が足を負傷して動けなくなったと110番通報があった。約2時間後に道警のヘリが女性を救助、旭川市内の病院に収容した。女性は、夫とともに同日午前8時すぎから旭岳に登ったあと、下山途中に足を滑らせ右足首を骨折した模様。
8月29日 大雪山で初雪?
掲載が遅くなりましたが、8月21日に大雪山で初雪?が降りました。旭岳を始め2000m級の山頂付近では薄っすらと積もりましたが、8月の降雪は初雪とは認知されないようです(ハッキリした理由は不明)。その雪も数日で融け、今週に入ってからは夏が逆戻りをしたような暑い日々が続いています。秋もやって来ていいものかどうか悩んでいるのでは・・・と。
8月19日 トムラウシ〜オプタテシケ山の登山道整備
美瑛山岳会の尽力により「トムラウシ〜オプタテシケ山」の縦走路が10年ぶりに整備されました。ただしこれからの時期は水場(双子池キャンプ地)の水が既に涸れていますので、縦走予定の方はお気をつけ下さい。
8月19日 大雪山系で事故多発!
札幌の女子大生が音更山でやけど
8月12日午前6時15分頃、東大雪・音更山の山頂付近で札幌の女子大生が両足をやけどして動けないと携帯電話で通報があった。道警のヘリが約三時間半後に救助し旭川医大に収容したが、女子大生は両足に軽いやけどの模様。
女子大生は11日、仲間6人とユニ石狩川林道から同山に入山。事故当時は朝食の準備中で、みそ汁の入った鍋を持ち上げたところ、バランスを崩して転んだらしい。
(8/12北海道新聞より)
群馬県の大学生がオプタテシケ山で骨折
8月9日午前8時10分頃、十勝連峰・オプタテシケ山の山頂付近で群馬県の女子大生(21)が転倒して足を負傷したと携帯電話で通報があった。悪天候のためヘリが飛べず、道警と美瑛町遭難対策協議会の救助隊が担架で搬送し夕方下山したが、女子大生は右足を骨折。
女性は大学のワンダーフォーゲル部員で仲間17人と入山。8月2日に表大雪・黒岳から入山し、9日に十勝連峰・白金温泉に下山の予定だった。当日の天候は小雨で視界200〜300メートル。
(8/9〜10北海道新聞より)
茨城県の男性が間宮岳で骨折
8月5日午後0時20分頃、表大雪・間宮岳近くで茨城県の男性(62)が転倒して動けなくなったと携帯電話で通報があった。道警ヘリが約2時間後に救出したが、男性は左足首を骨折。男性は5人パーティで旭岳温泉から入山し、黒岳石室に宿泊したあと層雲峡に下山する予定だった。
(8/6北海道新聞より)
7月31日 黒岳石室が飲食物の販売を再開
昨年から飲食物の販売を取り止めた黒岳石室が、利用者からの強い要望により再開したそうです。
カップラーメン、白飯、味ご飯、カレー、ビール(発泡酒)、ウーロン茶、ミネラルウォーター、ガスボンベ(メーカー不明)。
7月16日 大雪山系トムラウシ山で、本州の中高年登山者が二人死亡
先月の十勝岳(60代の男性が死亡)、今月の天人峡クワンナイ沢(救出)に続いて、また本州からの登山者の遭難事故が起きてしまいました。今回の場合は台風接近というハッキリした悪天候が予想される中でのもので、冷静沈着に判断すれば回避できた筈。非常に残念・・・と言うよりは、同じ中高年として腹立たしく思います。今回に限らず、遭難してもおかしくない本州からの登山者には幾度となく遭遇しており、遭難予備軍は非常に多いと思っています。実際、暴風雨当日は遭難したパーティ以外にも多数の登山者がトムラウシ山近辺にいたらしく、驚いています。
亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、今回の遭難例を通して、改めて本州からの登山者に注意を呼びかける次第です。
尚、遭難の経過は新聞報道等の情報に基づいて作成しました。事実と異なる点がありましたらご連絡ください。
遭難の経過(7/12〜16の新聞等の報道より)
日付 台風の位置
大雪山の天候
愛知県中高年パーティ
(女性4人)
福岡県中高年パーティ
(男女8人)
7月9日(火) 台風は本州の南海上
曇時々晴れ
旭岳温泉から2泊3日の縦走目的で入山。
11日にトムラウシ温泉に下山予定。
小屋泊まりを前提にテントは持たずツェルトを二つ携帯。食料は3日分。

旭岳温泉
 ↓
白雲岳避難小屋泊。
-
10日(水) 台風は関東地方に接近
北側の雲は北海道にかかり始める

薄曇のち
夕方から風雨強し
白雲岳避難小屋
 ↓
ヒサゴ沼避難小屋泊
他に9パーティが同宿

翌日の行動について話し合うが、下記の理由により予定通りトムラウシ温泉に下山することを決定。
・天候回復の見通しが無い
・長引くと食料が足りない
・他のパーティの多くが下山予定
引率者のガイドがツアーを企画。4泊5日の日程で北海道に入る。ガイドは日本山岳ガイド連盟の公認ガイドだったが、トムラウシ山は今回が2回目だった。
一行はトムラウシ温泉「東大雪荘」に宿泊し、11日から2泊3日の縦走の予定。
行程は、
トムラウシ温泉

 ↓
ヒサゴ沼避難小屋キャンプ地泊
 ↓
白雲岳避難小屋キャンプ地泊
 ↓
旭岳温泉
11日(木)
台風は未明に関東上陸
正午岩手県沖
21時釧路上陸

暴風雨
ヒサゴ沼避難小屋・午前5時半出発
 ↓
トムラウシ北沼から山頂を通らずに西斜面を迂回して南沼キャンプ地に出るルートの予定が、道を誤り山頂に向かう。
山頂
午前11時半
(この時点で、ヒサゴ沼から標準で3時間弱のところ、既に倍の6時間かかっている)
 ↓
山頂から南沼キャンプ地の下りで1人が転倒し顔と脚を負傷。やがて歩けなくなり2人がツェルトと寝袋でビバークし救助を待つことに。他の2人は下山継続。
 ↓
(夕方下山した別の登山者が警察に通報)
ガイドは「台風は北海道に近づくまでに弱まる」と判断し、風雨が強いなかを早朝出発。
(入山届は未提出)。

 ↓
15時頃、トムラウシ山頂付近に到着したが、1人が動けなくなる。ガイドがシュラフで覆うなどの防寒措置をとったうえで夜通し付き添う(テントやツェルトは持っていなかった)。
他の6人の行動については、新聞報道になく不明。

遭難したパーティ以外に、
暴風雨にもかかわらず数十人の登山者がトムラウシ山近辺にいた模様。
12日(金) 台風は温帯低気圧になりオホーツク海で停滞
 ↓
午前5時半、2人は途中で仮眠をとりながら自力で登山口(トムラウシ温泉)に下山。

午前11時、負傷した人に付き添っていた1人が下山開始。負傷者は意識不明に。
 ↓
下山中に救助隊に発見され自力で下山。

救助隊が意識不明の1人を発見。しかし悪天候のためヘリが飛べず、救助は翌日に。
午前4時半頃、激しい風雨が続いたためガイド自身の体力も尽き、動けない1人を残しヒサゴ沼避難小屋へ向かう。避難した7人のうち、ガイドを含め3人は衰弱が激しく歩けない状態になる。

午前7時半頃、「トムラウシ山頂北側付近で一人が動けなくなった」と携帯電話で警察に通報が入る。

13日(土) 曇時々雨 救助隊が意識不明の1人を前トム平まで運び、ヘリで病院に搬送したが既に死亡していた。 午前10時頃、救助隊がトムラウシ山頂北側で倒れている女性を意識不明の状態で発見。前トム平に運び、ヘリで病院に搬送したが既に死亡していた。

ヒサゴ沼避難小屋にいた7人は、4人が自力で天人峡温泉に下山。疲労の激しい3人(ガイドを含む)はヘリで救出された。
- -  死因・・・低体温による脳梗塞  死因・・・凍死
<本州からの登山者へ>

気象条件
北海道の二千メートル級の山は、本州の北アルプスと同等かそれ以上の厳しい気象条件です。荒天やオホーツク高気圧の影響を受けるときは、盛夏でも0℃前後の気温になることがあり、寒さ対策の装備は一年を通して必携と言えます。好天だからといって、雨具、防寒着などを持たずに入山する人を見かけますが、山の天気は変わりやすく非常に危険です。気象条件には関係なく、非常装備は持つように心がけて下さい。
◆夏でも凍死
2002年6月の十勝岳(みぞれ)、同7月のトムラウシ(台風接近)の遭難死亡事故は、いずれも低体温症(凍死)でした。通常は雨具や防寒具により防ぐことができますが、今回のような暴風雨では役に立たなかったかもしれません。ずぶ濡れになった体に風が叩きつけることで、一気に体温が奪われ、やがては歩行困難・意識障害に陥ります。衣類が濡れた状態で風に吹かれることは非常に危険で、「何とかなるだろう」と荒天の中に身を投ずるのは自殺行為です。

迷いやすい地形・・・天候により状況が一変
広大な台地状の地形になっている大雪山。いったん山懐に入れば、切り立った尾根道や辛いアップダウンが少なく、ハイキング気分で歩けます。でもそれは天候に恵まれた時のことで、荒天になれば状況は一変してしまいます。
明瞭な尾根道ではないだけに、逆に視界が悪い時は迷いやすく、登山道に雪渓が残る時期やロックガーデンではルートを見失うこともあります。標識も破損や読み取れないものがあります。それ以前に、設置の数自体が少ないかもしれません。地形図を頼りにと思っても、平坦で特徴が少ない地形のため、高度な読図能力が要求されます。本州の山とは異なり、大雪山は明瞭な標識や登山道が登山者を案内してくれるわけではありません。
強風にも注意が必要です。火山灰台地の平坦な稜線を歩くコースが多く、そのような所ではハイマツや岩などの身を隠せるような場所がほとんどありません。


大雪山の宿泊はテント泊が原則
本州の山は、短時間の歩行で食事・寝具が完備された有人の山小屋が次から次にあります。
比べて大雪山の山中は、ほとんどが無人の避難小屋(キャンプ地併設)です。内部は狭く、収容人数は数十人規模。一部を除き予約も受け付けていません(白雲小屋と黒岳石室は6〜9月管理人常駐、黒岳石室のみ予約可)。中には傷みがひどくて居心地が悪い小屋もあります
そんな状態にも拘らず、夏山シーズンや紅葉の時期は、登山者が殺到して入れない事態が発生しています。ツアーや団体が利用しているという話も耳にします。本来は、荒天や体調不良などのトラブルが発生した時、空いてる時、などに利用するのが避難小屋です。
テントを担いで訪れ、空いていれば小屋利用、混んでいればテントを設営する。宿泊にはテント持参が原則です。

避難小屋泊を前提とした縦走も、利用目的に反します。テントが無ければキャンプ地泊や緊急時のビバークができず、大変危険です。登山口から小屋、小屋から小屋の距離が離れている大雪山では、要所にはキャンプ指定地が設置されています。できるだけテントを担ぎ、余裕を持って行動してください。
愛知県のパーティ(4人)の場合、小屋泊まりの縦走で持っていたのはツェルト2個。テントがあれば、天気の良かった2日目にトムラウシ南沼まで行き宿泊、3日目はトムラウシ温泉への下山だけ、となり体力の消耗が少なかったかもしれません。
一方、ガイドが引率していた福岡県のパーティ(8人)はテントどころかツェルトすら持っていませんでした。個人ならまだしも、「避難小屋泊まりを前提にした団体やツアーの縦走」は大いに問題があると思います。
(ツェルト=簡易テント)

経験があると勘違い
前述の通り大雪山の小屋は避難小屋です。当然食事も寝具もないので、テントを含め全て担いで登らなければなりません。
本州でいくら登山経験を積んでも、それが山小屋を頼りに軽装で歩いただけでは、初心者と何ら変わりません。重装備が不安になり必要なもの(テントや防寒具など)まで省いて小屋泊にしてしまったり、逆に慣れない重装備で疲れ果て、予定の時間で歩けない登山者もいるようです。
ツアーや団体でしか登山経験がない方も同じです。自分で下調べをし、自分の判断とペースで歩いたことがない方は経験者とは言えません。
天候に恵まれれば何の問題も起きないかもしれませんが、荒天になれば経験の差がハッキリ出ます。自分の力量を冷静に判断し、過信、慢心することなく山行に望まれるようお願いします。

甘い停滞・撤退・中止の判断
遭難事故の背景には、本州からの登山者(特に中高年)の心理が少なからず影響しているようです。
北海道は遠くて頻繁には来れない、旅費も費やしてる、やっと取れた休暇なので日程は目いっぱい、この機会を逃したら二度と登れないかも→だから荒天でも登る。ツアーの場合はガイドや添乗員に無理を強いる。
多くの登山者が、北海道に着いた時点で、既に正常な判断はできなくなっているような気がします。特に百名山を目指す人に多く、短期間に一つでも多く登ろうと必死になっているようです。
集団登山における個人の判断にも問題があります。迷惑をかけまいと無理をしたり、体調が悪くなってもなかなか言い出せなかったり・・・。団体行動においても各自がリスクを認識し、危機回避について決断する勇気が必要です。小さな迷惑で済むうちにを心掛けましょう。決して無理せず、撤退も念頭に、余裕を持って行動して下さるようお願いします。
6月29日 トムラウシ温泉短縮コース登山口にバイオトイレ
(6月28日付の北海道新聞より)
工事中だったバイオトイレが、6月28日から利用できるようになりました。利用は9月末まで。
6月24日 忠別岳避難小屋利用の方へ
今年はまだ利用していないので正確な情報ではありませんが、小屋裏の扉の上部と2階窓が破損。雨風が吹き込む状態で、テント無しでは宿泊が困難らしいです。利用を予定されている方はご注意を。
2年前に利用したときも、小屋裏の扉の上部から雨がふきこんで応急修理をしたことがあります。今後の修理予定等、詳細については不明です。
6月21日 沼の原(クチャンベツ)登山口にバイオトイレ
(「層雲峡ビジターセンター便り」より)
6月17日、沼の原(クチャンベツ)登山口に「バイオトイレ」が設置されました。
6月21日の書き込みにトイレの写真が掲載されています。→層雲峡ビジターセンター便りのHP
トムラウシ温泉短縮コース登山口は設置工事中とのこと。
6月17日 十勝岳でツアー登山者が凍死
6月9日午前10時ごろ、十勝岳山頂近くで千葉県の男性(65歳)が倒れ意識不明になりました。男性は首都圏からのツアー(客18名、登山ガイドと添乗員各1名)で入山。上富良野側から十勝岳に登り、美瑛側に日帰りで下山する予定でしたが、登山中に「寒い」と訴えたあとまもなく倒れ、意識不明(呼吸停止)に。
ガイドらは携帯電話で救助の要請をするとともに、天候が悪化したため他の参加者の安全を優先。救助隊の到着を想定し、男性を残して全員下山しました。しかし現地は風と雪が強く、上富良野十勝岳山岳救助警備隊が男性を収容できたのは、二日後の6月11日昼過ぎ。死因は凍死でした。男性は雨具をバスに忘れたため、ベストの上にウィンドブレーカーという軽装でした。

ツアーは東京の旅行会社が企画。客の平均年齢は63歳。
6月7〜9日の2泊3日で道内2山を登るという強行日程でした。
6月7日・・・釧路空港着〜雌阿寒岳登頂
6月8日・・・移動(休養)日〜十勝岳温泉泊
6月9日・・・午前4時出発〜十勝岳登頂〜旭川空港発で帰京
       天候は、出発時は曇りだったがまもなく強風と雨、その後はみぞれから吹雪に。
(以上、6月10〜13日の北海道新聞の報道より抜粋)

それにしても何て無謀な日程なのだろう。到着日の雌阿寒岳登山(往復標準3〜4時間)でも驚いたが、最終日の十勝岳登山(標準6時間半)は信じられない。これでは先ず下山時間ありきで、参加者は義務感を背負いながらの歩行になってしまう。帰りの飛行機のことを考えると体調が悪くても「辛い」とはなかなか言い出せないだろうし、スローペースにならないように無理もする。旅行会社は「二日目に休めるように配慮した。メインの山を最終日に登る日程は効率がよい。残雪もある厳しい山と認識しているが、みぞれが降る寒さは想定外。」(北海道新聞より)と言ってるそうだが、平地の観光地めぐりならいざ知らず、二千メートル級の山登り。この時期にみぞれが降るのも別段珍しいことではないし、効率優先の日程で安全登山に対する認識が甘かったと言われても仕方がない。この会社は他にも同じような日程で道内のツアーを行なっている。

かと言って参加者に問題が無かったかというと、これは大いにある。自分の技術・体力を理解し、自己責任の意識をもって山登りをしている人なら、こんな強行日程のツアーには参加しないだろう。「2泊3日で北海道の百名山を2山制覇」につられたのだろうが、登山情報や装備等について旅行会社やガイドに頼り過ぎることなく、遭難や事故のリスクについても参加者個人がきちんと認識する必要があると思う。

ガイド、添乗員の責任については、天候悪化時のツアー参加者とのやりとりが不明なので何とも言えないが、地元の人なら中止する天候だったようだ。近年多発している本州からの登山者の遭難事故の典型と言える。特に百名山ブーム以後は、旭岳、十勝岳などの百名山での遭難事故が多く、たとえ遠方から来ていても潔く撤退する勇気が必要だ。
6月6日 高原温泉への林道が6月10日開通予定
高原温泉への林道は結局平年並みの6月10日午前11時開通予定です。
6月1日 銀泉台への林道が開通!
先日問い合わせたときは6月22日開通予定との話でしたが、何と5月31日に開通してしまいました。やはり雪融けは早いですね。早速行ってみます。
5月23日 大雪山バイオトイレ続報
(北海道新聞の報道より)
バイオトイレは2002年・2003年の6月中旬〜9月中旬の期間、臭気や処理能力を調べる実証試験として設置される。設備は小便器と大便器が一基ずつ。
<バイオトイレ設置場所>
沼の原クチャンベツ登山口・・・利用者がペダルをこぐことでおがくずを攪拌
トムラウシ温泉短縮コース登山口・・・太陽光発電のモーターによりおがくずを攪拌
おがくずを攪拌して温めることにより、微生物がし尿を分解するシステム。
5月21日 高原温泉・銀泉台の道路開通は平年並み
雪融けが早くて早期開通が期待された高原温泉への林道は、道路の補修に時間がかかり、結局平年並みの6月15日になりました。ただし、例年なら6月10日に営業を開始する大雪高原山荘の意向もあり、補修の進み具合では早まる可能性もあります。利用される方は確認をお願いします。銀泉台は例年どおりです。
高原温泉・・・6月15日開通予定 (問合せ 上川町商工観光課  01658-2-1211)
銀泉台・・・6月22日開通予定 (問合せ 旭川土木現業所  0166-26-4461)
5月2日 望岳台〜吹上温泉の連絡道路が開通
例年なら5月下旬開通の「十勝連峰・望岳台〜吹上温泉の連絡道路」が早くも通行可能でした。
4月26日開通・・・ただし5月15日までは夜間(17〜9時)通行止
5月2日 林道ゲート鍵ナンバーの問合せ先が変更
・十勝連峰・白金温泉美瑛富士登山口への林道ゲート
・新問合せ先・・・上川中部森林管理署 0166−61−0206
 (営林署の統廃合により、美瑛営林署はなくなりました)
4月22日 愛山渓温泉の冬期通行止解除
「国道39号〜愛山渓温泉」の林道が4月26日(金)午前11時に開通予定。
早速行ってみようかな〜
4月18日 黒岳スキー場が早くも営業終了
やはりと言うべきか、今年の暖冬の影響は大雪山も例外ではない。
例年ならGWまで滑ることのできる「大雪山・黒岳スキー場(りんゆう観光)」が4月21日で今冬の営業を終了。1970年の営業開始以来最も早い終了らしい。この事実は、大雪山の雪融けが予想以上のスピードで進んでいることを物語っている。公共機関が定めた融通の利かない「夏山開き」を待っていたのでは、花の開花を見逃すかもしれない。
さて、旭岳スキー場はいつまで持つか・・・。
3月 8日 大雪山にもバイオトイレ
(2月の北海道新聞の報道より)
道庁は、今年6月〜9月まで大雪山系2ヶ所の登山口に、微生物を利用して排泄物を分解する「バイオトイレ」を設置する方針を決めたそうです。その後、利用状況や環境への効果を2年間調査した上で、本格導入を検討。懸案だったトムラウシ南沼野営地への設置は見送られました。
<バイオトイレ設置場所>
沼の原クチャンベツ登山口
トムラウシ温泉登山口・・・トムラウシ温泉東大雪荘前の登山口は既にトイレがあるので、
 これは林道の「短縮コース登山口」のことだと思いますが・・・未確認。
 今年も6月に入山予定ですので、写真等で報告できればと思っています。
3月 8日 小雪の冬〜開花が早いかも?
今冬は12月にそこそこ降ったものの、結局は小雪のまま春を迎えそうな気配です。旭川ビジターセンターによれば、ロープーウェイ姿見駅の積雪は1月31日が1m90cm、3月6日が2m。ここ数年では最も積雪が少なくなっています。
私が2月20日に訪れた時も、例年なら一面の銀世界なのに所々ハイマツが顔を覗かせてました。長期予報では暖かいまま推移するらしく、雪融けも加速しそうです。このままでは、春山・夏山登山のタイミングとキャンプ指定地の水場が心配です。
思い起こせば1998年も、猛暑の影響で大変でした。この年は冬の積雪はそこそこあったのですが、春以降高温が続き、高山植物の開花が1ヶ月近く早まりました。まして今年は小雪なので・・・気がかりです。


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