大雪山 旭岳



2001年10月31日 コース 旭岳温泉〜姿見駅〜旭岳〜姿見駅〜(ロープーウェイ)〜旭岳温泉
コース
タイム
標準登山時間 我が家の登山時間
5時間30分 6時間20分

休憩 1時間40分
合計 8時間
車中泊 東川町公共P(大雪遊水公園) 写真
旭岳温泉まで約25キロ。
登山口への
アクセス
旭川市内の国道12号を東に進み、旭岳・天人峡の標識で右折。後は道々212号を標識に従い道なり真っ直ぐ。最後に天人峡との分岐を左に入る。旭川から約50キロ。
温泉 東神楽森林公園 森のゆ・花神楽
関連情報 登山データ 旭岳温泉
9月の初雪が多かったのでこの時期に大雪山に登るのは難しいはずなのだが、今年は10月に入ってから雪が少なく、再び秋山気分でのアタックになった。しかし装備は準冬山。アイゼン(6本爪)、耳まで隠れる帽子、予備の防寒着などで日帰りザックはパンパンになった。

10月31日 東川町の大雪遊水公園で車中泊。他に車はトラックが1台だけ。
5:00 起床。
6:15 旭岳温泉。
無料公共駐車場には他に車が1台だけ。やはりこの時期では、天気がいくら良くても登る人は少ない。
そのうち車の中年男性が話し掛けてきた。装備が心配らしく、我が家にいろいろ質問をしてきた。男性は8時45分のロープーウェイの始発で姿見駅まで行くとのことで、下から登る我が家とは別行動。
7:00 出発。快晴、気温マイナス8度。
登山道は霜で真っ白。地面はカチカチに凍っていてストックも全く刺さらない。見上げれば青い空と太陽の光で眩しいが、森の中は暗くて全てが凍り付いていた。
やがて木道になったが、表面が霜で滑るため恐々歩く。それがが終わってホッとしたら今度は氷の階段。しばらく雪も降らず気温が高かったため、登山道は沢状態になっていたのだろう。それが昨日からの低温ですっかり凍っている。アイゼンを装着するか悩んだが、石が多いのでそのまま慎重に歩く。
姿見の駅が近づくと日当たりの良い登山道になり、今までの氷の世界が嘘のような道になった。体も温かくなり一枚脱ぐ。後ろを振り返れば十勝連峰も見えるようになった。
(天女ヶ原で休憩15分)
霜でツルツルの木道(天女ヶ原) 登山道は氷の階段 やっと日当たりのいい登山道へ
9:20 ロープーウェイ姿見駅(休憩25分)。
駅の休憩室で一休み。始発のロープーウェイは既に到着していて、散策を始めている人もいた。
パークレンジャーがいたので9月19日遭難の人の安否を尋ねてみたが、既に捜索は打ち切られていた。単身赴任、単独登山、無届の上に週末が重なったため、会社や家族からの捜索依頼が遅れ、数日たってからの捜索ではやはりダメだったようだ。やがて次のロープーウェイが到着し、台湾の団体ツアーが降りてきた。それを見たレンジャーが数人、後を追うように出て行った。
駅のカウンターでやっと登山届を書く。下の登山口ではロープーウェイの山麓駅にしか記帳所がなく、そこがまだ閉まっていたので書けなかったからだ。(その後、山麓駅横の登山口にも設置されました)
9:45 出発。快晴、気温マイナス5度。
外に出ると駅舎の前は台湾の人でにぎやかだった。すると突然、監視員の怒鳴り声が…。顔を上げると台湾の人が立入禁止のロープを乗り越えて記念写真を撮っていた。慌てて監視員が出て行った理由がわかり納得。彼らも大変だ。
人の多い最短コースを避け、夫婦池回りで姿見の池を目指す。ところが、理由はわからないが姿見駅周辺の散策路の一部にロープが張ってあり、大外の周回コースのみが通行可能に…。お陰で少し遠回りをさせられてしまった。この辺りの道も凍っていて苦労する。
夫婦池(結氷)から望む旭岳
拡大写真

夫婦池(結氷)


姿見駅の休憩所
トイレ、コインロッカー、売店、
ドリンクと軽食の自販機がある
10:10 姿見の池、旭岳石室。
新築された旭岳石室の中に入ってみたがピカピカで綺麗。ただ、2階の宿泊スペースへの梯子には登れないようにロープが張ってあった。目的が冬期の緊急避難用なので、2階の窓から入ることさえ出来ればいいという判断なのだろう。トイレ・水場はなし。外に携帯トイレ用の小屋があった。
姿見の池の展望台で、旭岳温泉の駐車場で一緒だった男性に会う。お先にと声をかけて出発。
9月完成の旭岳石室
緊急の場合を除き宿泊は不可
旭岳石室1階の休憩所
ロープがあり2階には上がれない

いよいよ尾根に取り付く。天気は相変わらず快晴で微風。このコースは風が無いのが一番ありがたい。尾根の登山道を見上げると単独の人が二人登っていくのが確認でき、我が家だけではなくて少しホッとする。
尾根道は意外に歩きやすかった。火山灰と砂れきのため夏はズルズル滑べるのだが、今日は土もカチカチに凍っているのでグリップがよく、天気さえ持てば山頂までは短時間で行けそうで嬉しくなった。
6合目を過ぎたところで先を歩いていた監視員(女性)が早くも下山してきたが、足元を見たら長靴だった。山頂付近の様子について会話をしたが、長靴では下りが相当怖かったらしい。積雪も増えアイスバーンの箇所もあるので、それを聞いた我が家は早速アイゼン(6本爪)を装着。俄然歩きやすくなった。
相変わらず視界は良好でトムラウシや十勝・石狩連峰が全山見渡せたが、ふと後ろを振り返ると何時の間にか雲海がすぐそこまで迫っていた。旭川などの平地は雲に包まれ、その先端は姿見の池まで来ていた。気温が氷点下のこの時期はガスられると怖いので、何とか下山まで晴天が続くよう祈りながら歩く。後ろを歩いていたはずの今朝会話をした中年の男性は遥か下で休憩中。どうも山頂までは行かない様子だった。
姿見の池と石室を振り返る 徐々に積雪が増える 雲海が姿見の池まで迫る
拡大写真
9合目に近づくと尾根は細くなり、斜度がきついところにはアイスバーンもあって慎重に歩を進める。心配していたガスも、気温が上がったためか徐々に後退して行き一安心。
6合目から望む旭岳
アイゼンを装着 拡大写真
遠望は石狩連峰

山頂直下の登り

12:30 旭岳山頂。気温マイナス5度。
写真を撮っていたため、かっちゃんから相当送れて山頂到着。既にかっちゃんは先着の男性と意気投合してるようだ。
それにしても素晴らしい展望だった。もう少し積雪があって真っ白だったら申し分なかったが、この時期に登れただけで満足しなければバチが当たるだろう。風もなく穏やかだったのでのんびり休憩。
先着の男性は本州からの若者で、失業旅行で道内の山旅をしていた。見かけは元気だったが、やはり何処となく寂しそうだった。
山頂より 比布岳
拡大写真
山頂より 白雲岳(奥)
拡大写真
旭岳山頂

山頂より 北鎮岳(左奥)
拡大写真
山頂より トムラウシ

山頂直下の下り  雲海の奥は
左がトムラウシ、右が十勝連峰
13:00 下山開始。
休憩中の若者に声をかけ、先に出発。
アイゼン装着で下りも快調そのもの。夏にへっぴり腰で歩いた急な砂れきの道も適度な積雪で全く気にならず、休憩なしでガンガン飛ばす。後ろから下ってきたはずの若者の姿も小さくなり、やがて見えなくなった。
14:20 姿見の池(休憩30分)。
展望台で今朝話をした自然保護監視員の若者に会う。かっちゃんは姿見駅の休憩所に向かったが、私は監視員の若者としばし歓談。登山者のマナー、登山道の荒廃など暗い話題が中心だったが、最後は花や動物の話で盛り上がって楽しいひと時だった。正面からの西日も低くなって辺りには観光客の姿が無くなり、こういうときでも監視しているのか訪ねると「今日はあまりにも天気がいいので、もったいなくてボーっとしてました」という穏やかな笑顔が印象的だった(会話の一部を下段に掲載)。
つい長話をしてしまい、慌てて姿見駅に向かう。振り返ると山頂で出会った若者が降りてくる姿も見えた。本日の入山者は我が家も含めて3組4名だった。
15:00 ロープーウェイ姿見駅。
かっちゃんは休憩所ですっかりくつろいでいた。旭岳温泉まで歩くかロープーウェイにするか話し合ったが、日没が早い(16時20分)ことと旭岳温泉までの氷の登山道を考えてロープーウェイに決定。料金は冬料金になっていたので助かったが、片道1000円はそれでも高い。
下山後も旭岳はクッキリと ロープーウェイから旭岳に別れを告げる
何故か今日は下山後の疲れが少なかったので、温泉はパスして一気に札幌へ。帰宅は20時でした。

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