10月9日 |
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22:00 |
札幌出発。トムラウシ温泉へ向かう。 |
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久しぶりに国道274号樹海ロードを走る。幾つもの峠越えに加えトラックも多いので結構気を使う道だ。
通常、清水・帯広方面へは日勝峠を利用するのだが、トムラウシ温泉へは「日高町〜占冠〜トマム〜落合〜狩勝峠」の方が車が少なくて早い。狩勝峠からは、下りきる手前の佐幌ダムの看板で左の道に入る。道なり真っ直ぐに進むとトムラウシ温泉への道々に突き当たる。左に曲がればすぐトムラ登山学校があり、後はトムラウシ温泉まで道なり真っ直ぐだ。このルートを発見してからは、トムラウシ温泉にだいぶ早く着くようになった。
ただ今回は思わぬ出来事があった。
占冠からトマムリゾートに向けて快調に走っていたときのことだ。緩い左カーブを曲がって直線に出たら道路脇に突然エゾシカが! 車に気づいたエゾシカは前を横切って道路反対側に逃げようとしたため今度は私の目の前に! もうダメだと思いつつ目いっぱいブレーキを踏んで止まった瞬間、フロントガラス越しにエゾシカと目が合った。カッと見開いた目は僅か数十センチの距離だったが、何とか直前で止まったらしい。ホッとしている私の目の前をエゾシカは元気に走り去っていった。今までも、エゾシカ、キタキツネなどが道路沿いにいて危ないと思うことはあったが、こんなニアミスは始めてだ。とにかくシカも私も無事でよかった。
やれやれと思いつつ後部を見ると荷物が散乱。寝ていたかっちゃんの上にもザックや寝袋が乗っかっている。ところがかっちゃんは静かなまま。目を覚ましてないのだ! かっちゃんだったら十分有り得る事だと納得し、荷物を片付けて出発。また「かっちゃん伝説」が増えてしまった。札幌に戻るときに同じ道を走ったが、現場には車のタイヤ痕がしっかりついていた。それを見てかっちゃんは一言「ふ〜ん」。
ではここで、あまり習性を知らない方のために「エゾシカ講座」。
・エゾシカは車を発見しても近くに来るまで逃げない。
・逃げるときも、とりあえず車と同じ方向に並んで逃げようとする。
・一部は車の前を横切って反対側に逃げようとする。
車を運転の方はご注意を。 |
10月10日 |
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2:30 |
トムラウシ温泉着。札幌から250キロ、4時間半。 |
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晴れの筈なのに霧雨が降っていた。 |
5:00 |
起床。 |
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天気はくもり。山の方はガスがかかって何も見えず、しばらく様子を見ることに。空がだんだん白んできたら意外な光景が目に入ってきた。真っ赤なカエデだ。ここ数年こんな綺麗な赤は見たことがない。今年の北海道は久しぶりに猛暑にならなかったが、その結果が秋の色彩にちゃんと出た。うれしいなぁ!
紅葉に見とれていたらそこに珍客がやってきた。エゾリスだ。シマリスとは異なり人馴れしないので見る機会は少ない。久しぶりのご対面でまた感激。しばし観察。
天候の回復を祈りつつ短縮コース登山口に移動。だが霧雨はだんだん雨に。待つこと2時間、結局中止。
かっちゃんと相談の結果、今回は動物に縁がありそうなので然別湖畔のナキウサギを見に行くことにした。 |
トムラウシ温泉の紅葉 拡大写真 |
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8:00 |
移動開始。 |
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トムラウシ温泉〜十勝ダム湖の区間は、本当に素晴らしい紅葉。
途中、十勝ダムキャンプ場にも寄って紅葉狩り。小じんまりしたキャンプ場で、静けさを求める人にはいいかもしれない。車中泊には十分使える。 |
十勝ダムキャンプ場 |
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11:30 |
然別湖畔トウマベツ登山口着。 |
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登山口には先着の車が2台。登山届のノートを見たが、週末以外は歩く人が少ないようだ。
湖の方がやけに賑やかだなと思ったら、高校生の団体がカナディアンカヌーを走らせていた。最近の修学旅行はいいなぁ! |
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トウマベツ登山口 |
登山口の駐車場 |
簡易トイレだがキレイ |
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12:00 |
出発。天気はくもり、気温5℃。 |
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登山道を進むとすぐ分岐。右の道に入ると後はジグザグの急登が1時間近く続く。樹林帯の苔むした登山道で、いたるところに小さな穴が開いている。ナキウサギの住みかだと思うが、ここで鳴き声を聞いたり姿を見たことはないので、もう住んでいないのかもしれない。
紅葉は既にピークを過ぎ、道も落ち葉に覆われている。湖畔も黄葉が点在しているだけであまり綺麗ではなかった。 |
登山口からすぐの分岐
右に進むとジグザグの急登になる |
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尾根に出ると平坦になり、針葉樹林とササの単調な登山道が続く。白雲山の山頂が近づくと道は右斜面を回りこんで行き、やがて岩石山の分岐に。分岐の標識は「岩石山へ」という表示ではなく、「白雲山登山口へ」となっている。士幌高原コースの登山口へという意味なのだが、岩石山はその途中にある。表示は不親切だと思ったが、夏山ガイドに書かれている「岩石山」という表示はコース上の何処にもないので、正式名称ではないのかもしれない。
分岐から急斜面を15分ほど下ると岩石山のコルに出る。 |
尾根は針葉樹林とササの登山道 |
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13:20 |
岩石山コル |
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目の前は巨岩のロックガーデンで、いかにもナキウサギが出てきそうな雰囲気だ。巨岩を登れば10分ほどで山頂だがナキウサギが目的の我が家はコルで休憩。以前来たときは鳴き声だけだったので、今回は姿を見ることができれば…
休んですぐ、かっちゃんがエゾリスを発見。1日に2回も会えるとはラッキー!
やがてナキウサギも鳴き始めた。だが声が遠くてなかなか姿が見えない。しばらくして、突然かっちゃんが「いた!」。指差した方を見ると20メートルほど上部の岩の上にチョコンと座っている。嬉しいですね〜、ここまで来た甲斐がありました。
静かに観察していると、一段高くなっているその岩がお気に入りらしく、登ったり下りたりを繰り返している。写真を撮るためにお気に入りの岩の近くに移動開始。カメラを構えて静かにしていたのだが、さっぱり出てこなくなってしまった。そのうちにかっちゃんが寒いと言い出したので、撮影は諦めて再び歩き始めることに…
(観察時間…1時間)
来た道を戻り白雲山へ。 |
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岩石山のコル…山頂はガスの中
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岩石山から望む十勝平野(士幌町)
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目の前の岩に
ナキウサギが出てくるのを待ったが… |
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14:50 |
白雲山山頂。ガスで何も見えず(休憩15分)。 |
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白雲山の山頂…ガスで何も見えず |
同じく白雲山の山頂 |
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天望山のコルに向かって下る。出だしは急な岩場の下りで注意が必要だ。やがてササ原の緩やかだが単調な下りになる。
沢地形のコルに着くと分岐。左に進み沢を下っていくと湖畔の分岐に出る。後は湖畔沿いに左に進めば30分ほどでトウマベツの登山口に出る。 |
湖畔沿いの道をトウマベツ登山口へ |
湖畔の温泉ホテル(2軒) |
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16:15 |
トウマベツ登山口着。 |
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暗くなってきたので急いで屈足温泉トムラ登山学校に移動する。登山の宿泊施設だが設備はホテルのようだ。温泉の泉質はちょっと?だが、ここの寝湯は入る価値がある。登山の入浴施設だけのことはあって、強力なジェットが足の裏・ふくらはぎ・ひざ・腰・肩に当たって本当に気持ちいい。痛いところに手が届く?感じかなぁ。お薦めだ。 |
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帰り道でも走ってる車に近づいてくるキタキツネを見かけた。観光客からエサをもらうことに慣れてしまったようで危険極まりない。今回も含め、車で遠出をすると道路上に無残な姿の動物を見.ることが多い。可愛くてもエサはあげないで欲しいなぁ。そういう私も運転には気をつけねば…反省。
今回は多くの動物に出会いましたが、証拠写真は全くありません。残念… |
(注)湖畔の白雲山、岩石山、天望山の各コースについて
登山時間は短いが急な登り下りがあるのできちんとした装備が必要。軽いハイキング気分で歩くのは危険だ。 |