9月4日 |
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10:00 |
札幌出発。 |
9月5日 |
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1:00 |
十勝岳温泉着。車中泊の車が他に4台。風が強い。 |
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駐車場脇の登山口 |
水洗トイレ |
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4:30 |
起床。快晴。 |
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気温4℃。 さ、さむ〜い! 日中の気温は20℃を超えるらしいが本当だろうか。仕度を始めたら隣りの凌雲閣からゾロゾロと登山者が出てきて、中年女性のグループなど5組ほどが次々に出発していった。今日はみなさん、動き出しが早い。
凌雲閣の名物犬が3匹、順番に散歩にやってきた。ワンワン吠えるので他の車の人も全員起きてしまった。ここの犬たちはいつも放し飼いで宿の内と外を行ったり来たり。犬が苦手な人は困るだろうなぁ。
ついでに凌雲閣に一言。露天風呂は何とかならないものかなぁ。湯温調節ができないらしく外の気温に連動してしまう。冬は水風呂。夏でも温水プール程度だ。目の前は山なので絶景だが、入っていられなければ意味がない。景色と増える登山者に甘えて努力を怠ってると思うが…。
最近(2002年)の話では、露天が熱かったこともあるとか・・・う〜ん、今はどうなんだろう? |
5:15 |
出発 |
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歩き始めてすぐ、安政火口の硫黄の匂いが山越えの風に乗ってやってきた。今日は稜線に出たら強風かもしれない…気をつけねば。
そのとき後ろから声が…。振り返ると凌雲閣のオヤジさんだった。先を歩いている登山者の中に宿の従業員がいて、犬がその人を追いかけていってしまったらしい。安政火口までに追いついて連れ戻さなければ、と言い残し走っていった。登山道の脇にはエゾオヤマリンドウなどの花がチラホラ。寒いので皆つぼんだままだ。
犬を連れ戻したオヤジさんとすれ違う。ご苦労さんです。
途中、三段山への分岐を過ぎたが、ハテ?三段山へのコースは落石死亡事故発生で通行禁止だったような気がするが…看板もロープもない。通行可能になったのかもしれない…未確認。 |
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登山口から安政火口へ |
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5:45 |
安政火口 |
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ここから先は本格的な登山道だ。尾根を回り込むと、朝日に照らされ始めた富良野岳も顔をのぞかせる。 |
6:05 |
上ホロ分岐 |
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休憩中の中年女性のグループとご挨拶。
分岐を左に曲がり、いよいよ沢地形の本格的な登りだ。登山道脇にはイワギキョウなどの花もチラホラ。(休憩15分)
休憩中に、登山口で見かけた中年の夫婦が追いついて来た。ご主人はどこか体が悪いらしく空身。奥さんが大きめのザックを背負っていた。でも二人とも楽しそうで微笑ましい光景だった。
我が家もああなるんだろうか。かっちゃんには常々、ザックを背負えなくなったら置いてくからと言われているが…
いよいよ尾根まで丸太階段の急登だ。土止めのはずが長年の雨ですっかり土が流され、まるで丸太のハードル。おまけに鉄の杭が飛び出していて危険極まりない。苦労してD尾根に出る。 |
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丸太のハードル |
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D尾根からは一気に展望が広がる。右は三峰山と富良野岳。左は安政火口の絶壁上に上ホロカメットク山、その奥には十勝岳が。
後は砂れきの尾根を登るだけだ。 |
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D尾根に出て 眼下は上富良野町 |
安政火口の奥には十勝岳 |
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7:35 |
十勝岳温泉分岐(かみふらの岳) |
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やっと十勝連峰の縦走路に出た。以前はただの分岐だったが、いつの間にか「かみふらの岳」の標識が立っていた。
稜線に出たらやはり風が強い。
安政火口の断崖を左に望みながら少し下ると、上ホロ山頂を通らずに右に迂回するルートとの分岐だ。我が家は上ホロの山頂を目指す。
登り始めてすぐナキウサギの声が…(休憩15分)残念ながら鳴き声が遠く、姿は確認できなかった。 |
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上富良野岳1893m 奥は十勝岳 |
上ホロ手前で休憩 |
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8:15 |
上ホロカメットク山 |
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あっという間に山頂到着。これから向かう尾根のすぐ下には上ホロ避難小屋が、そして断崖のルートの先には十勝岳がそびえ立つ。
砂れきの急斜面を下り避難小屋へ。 |
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上ホロから望む富良野岳
雲海の奥は芦別岳 |
上ホロから望む十勝岳
拡大写真 |
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8:30 |
上ホロ避難小屋(休憩30分)…トイレも済ませる。 |
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小屋の中で食事休憩。20代の男性が一人、やはり休憩のため小屋に入ってきた。話しかけたが返事が素っ気ない。あまり話したくないんだろうな…沈黙の避難小屋。出発しようとザックを背負ったら、彼も慌てて仕度をし先に行ってしまった、、、ん?
強風と低温(10℃)のためレインウェアを着る。 |
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避難小屋とトイレ 奥は上ホロ山頂 |
十勝岳 山頂直下の登り |
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ここからしばらくは左が断崖の尾根歩きだ。右からの強風なので飛ばされて火口に落ちないように慎重に歩く。後から聞いたが、体重の軽いかっちゃんは相当怖かったらしい。
山頂直下に出れば最後は広い尾根の急登だけだ。山頂の手前で60代の男性に追い抜かれた。 |
10:00 |
十勝岳山頂(休憩20分) |
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山頂は望岳台からの登山者もいて賑やかだった。ガスは出てきたが申し分のない360度の展望。
休憩していたら突然、関西弁の賑やかな声が…振り返ると、先ほどの60代の男性だった。どうも小屋で一緒だった若者に話しかけているらしいのだが、声が大きいので内容が嫌でも耳に入ってくる。十勝岳温泉から登ってきたが、できれば同じルートで戻りたくないので、他の下山コースと交通機関や温泉などについて相談しているらしい。だが、それに対する若者の返事がどうも煮えきらない。
見るに見かねて、我が家が吹上温泉に下山しバスで十勝岳温泉に戻ることを説明すると、喜んで同じコースに決定。急いで仕度をすると若者に、「ほらっ、行くぞ!早く下山してバスの時刻までに温泉だ!」。まるで親子になったような二人は転げるように下っていった。
後でわかったことだが、その若者は凌雲閣の従業員だった。コースやバス便のことを知らないはずが無い。教えなかったのは余程一緒にいたくなかったのか?・・・大きなお世話だったかなぁ。 |
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(十勝岳山頂 360度の眺望) |
(南西) 富良野岳へ続く稜線
拡大写真 |
(南東) 雲海の奥に日高山脈
拡大写真 |
(北東) 美瑛岳 雲海の奥には大雪山系
拡大写真 |
(北西) 1988年噴火口の噴煙
拡大写真 |
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10:20 |
下山開始 |
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火山灰のグランドまでは急な下りだ。以前は、火山灰が堆積し足首まで埋まるぐらいの下りだったが、長年の雨ですっかり流され歩きやすくなっていた。とは言うものの急なので、転倒には要注意。
グランドを通り過ぎ避難小屋が見える尾根に出た。
ここでアクシデントが…強風でかっちゃんの帽子が崖の下へ飛ばされてしまった。風が少し弱くなったのでアゴひもをしていなかったらしい。崖下を覗いてみたがとても取りにいける場所ではないし、何処にあるのかもわからない。
そんな状況でも、かっちゃん、少しも怯まず、「そろそろ新しいのが欲しかったんだよねぇ〜」と頭にバンダナを・・・
そういう問題じゃないと思います。ゴミを置いてきてしまい、どうもすみません。 |
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十勝岳山頂からグランドへの急な下り
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グランドから望む十勝岳
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十勝岳避難小屋への下り
周囲には予想以上に花が… |
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12:00 |
十勝岳避難小屋 |
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小学生の団体が休憩中だった。望岳台から小屋まで往復2時間ほどの登山遠足らしい。 |
12:10 |
美瑛岳分岐 |
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分岐から望岳台に向かって15分ほど下ると広い道の十字路になっているので、そこを左に曲がる。車が通れるほどの道はやがて大きくカーブし白銀荘への分岐に出る。
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グランド
↓
十勝岳避難小屋
↓
白銀荘
の植生について |
十勝岳は1991〜1994年に3回来ているが、以前は1988年噴火の火山灰と溶岩で植生が僅かしか見られなかった。ところが今回7年ぶりに訪れて花の多さにビックリ! シラタマノキ、エゾオヤマリンドウ、メアカンキンバイ、チングルマなどがいたるところに…可憐な花たちのたくましさに敬服! 嬉しくなってしまった。 |
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メアカンキンバイ |
エゾオヤマリンドウ 写真 |
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シラタマノキ 写真 |
泥流の斜面にはシラタマノキが群生 |
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12:30 |
白銀荘分岐(休憩25分) |
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ここからは初めて歩くコース。バスの時間も気になるので少し飛ばして歩く。ルートは十勝岳からの小さな尾根と沢を何本も横断するアップダウンの道だった。途中、九条武子の歌碑を過ぎ、少し進むと富良野川に出た。川を横切り針葉樹林に囲まれた道をしばらく進むと、やっと見慣れた景色が…やれやれ白銀荘に到着。バスに間に合った。 |
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白銀荘と望岳台の分岐 |
富良野川 奥には十勝岳の噴煙 |
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13:30 |
吹上温泉白銀荘に下山。 |
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吹上温泉のベンチに向かうと、山頂で会った即席親子?がもう温泉から出てきた。早いなぁ。このあと関西の男性は、斜里、知床、日高と登るそうだ。やはり百名山かな。 |
13:49 |
町営バスで十勝岳温泉のマイカーへ。 |
14:04 |
十勝岳温泉着。 |
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凌雲閣から少し下ったところにある国民宿舎カミホロ荘で温泉に入る。火事で焼失後、2000年に新築オープンした施設だ。総木造りの風呂は肌触りがよく好印象。次回は是非、露天から夕陽を見てみたいと思った。 |
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吹上温泉 白銀荘キャンプ場
左は温泉保養センター 右はトイレ |
白銀荘キャンプ場の駐車場 左はトイレ
十勝岳の噴煙が見える |
国民宿舎カミホロ荘の露天風呂
原生林越しに上富良野の市街が見える |
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17:00 |
上富良野町・深山峠駐車場で車中泊。 |
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山の帰りにいつも寄る所だが、今日は天気が良く大雪から十勝連峰まで全山が見渡せた。 |
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紅葉には少し早くて残念だったが、十勝岳に花が戻ってきたのは嬉しい発見だった。自然の回復力にはただただ驚嘆するばかり。だが噴火は何れまた起きる。噴煙の出ている箇所も若干増えているような…。
しかし、人知の及ばないところで山は再生を繰り返す。十勝岳が緑に覆われる日が来るかもしれない。 |