利尻山 1721m
2001年 8月 5〜6日 札幌〜(車)〜稚内〜(フェリー)〜利尻・鴛泊
7日 鴛泊・利尻北麓野営場〜利尻山往復
8日 利尻一周の観光 鴛泊〜(フェリー)〜稚内
9〜10日 稚内〜宗谷岬〜枝幸〜札幌

 数年前まで夏休みの長期休暇は大雪山の縦走に決まっていた。だが最近の登山ブームでこの時期の大雪山は混雑がひどく、我が家の望むような山歩きは出来なくなってしまった。どうしてもこの時期にしか見られない花に会いたい場合は別だが、大混雑のキャンプ地や登山道の渋滞はできれば味わいたくない。日帰りではたまに行くこともあるが、夏休みの大雪山からはだんだん足が遠のくようになった。本当は大雪山〜十勝連峰の縦走をやりたいのが・・・初夏や秋に行くしかないのかなぁ〜。
 では利尻山は空いているかというとそんな訳はない。百名山に名前を連ねている以上全国からハンターがやってくる。今回はおそらく二度と来ることはないと思いながら半分諦めの境地。どちらかと言えば観光登山のようなものだった。
 実は利尻山のアタックは2度目。稚内まで来て断念してのを加えれば3度目になる。
 20年程前に友人夫婦と同じ鴛泊コースで登った。当時はまだ登山を本格的にはやっておらずジーンズにスニーカーで挑戦。だが天候悪化のため9合目で断念。頂上がダメならせめて下山は別ルートでと沓形コースで下ったところ、これが危険箇所の連続。後戻りすることもできず破れかぶれの下山になった。今思えば無謀なことをしたな〜と思う。若さからくる勢いだけの山登りだった。
 既に中年になり登山の経験を積んだ今回は、事前の下調べ等を万全に行い体力に合わせた安全登山で再挑戦。だが利尻山はそんなに甘くなく、我が家が過去に経験した日帰り登山の中で最も辛いものだった。
 利尻へのアクセスはいろいろ悩んだが、結局自家用車ごと渡ることにした。費用は大幅にアップするが、3日間島内にいて登山以外の2日間の行動を考えると車の方が有利と判断。レンタカーも考えたが車中泊仕様の我が家の車にはかなわない。めったに行ける所ではないので贅沢をすることに。その代わり外食は一切せずオール車中泊と自炊に決定。
 でも1時間40分しか乗らないのに車輌航送が片道12770円(4m未満)は高い!
 今回の山行にあたり利尻富士町のHPには大変お世話になりました。「資料請求フォーム」でメールを送ったところ1週間ほどで観光や温泉、フェリー時刻表などのパンフが届いたのですが、中でも登山ガイドは大変役に立ちました。詳しいコースガイドや花の写真が載っており、コースがハッキリしている利尻山ではこのパンフさえあれば充分!
欲しい方は、利尻富士町のHP 「Recreations観光すぽっと」の資料請求ボタンをクリック!


山行経費データ
アクセス  札幌〜利尻島内〜札幌 走行距離合計950キロ  ガソリン代 約8000円
フェリー  稚内〜利尻・鴛泊
車輌 往復割引で復路車輌航送運賃が10%割引
我が家の車は4m未満運賃  往き12770円+帰り11500円=24270円
(ドライバー1名2等運賃含む)
旅客 1名(かっちゃん) 2等片道1880円×2=3760円
温泉日帰り入浴  (利尻富士温泉400円+稚内温泉童夢600円+天塩川温泉200円)×2名=2400円


8月5〜6日
利尻へ
車  : 札幌〜北竜町〜留萌〜遠別町(車中泊)〜天塩町〜サロベツ原野〜稚内 走行距離320キロ
フェリー 稚内〜利尻・鴛泊
8月5日
22:30 札幌を出発。
週間天気予報では登頂予定日の後半から崩れるらしく不安を抱えながらの出発になった。稚内までは320キロ、車で約6時間の行程だ。
食料とウーロン茶5リットルを持参。もちろんクーラーの中には、かっちゃんが利尻で飲むビールも入れた。
8月6日
3:00 遠別町道の駅「富士見」に着き、車中泊。
本州ナンバーの乗用車やキャンピングカーで賑やかだ。
7:00 起床。雲が多い。天気予報は一応明日まで晴れとの予報。
海を挟んで利尻富士が見えるので「富士見」という道の駅なのだが今朝は全く見えない。曇っているのか、それとも霞んでいるだけなのかよくわからない天気だ。
7:45 出発。
途中天塩から海沿いの道に入りサロベツ原野と海を眺めながらを走る。北海道らしい風景で大好きな道だ。初夏はエゾカンゾウで黄色に染まるが8月ともなるとやはり花が少なくてちょっと寂しい。
30分ほど走った頃、海の向こうに利尻山が見えた!
少し霞んではいるが山頂には雲がかかっていない。浜勇知の展望施設で休憩。しばし海に浮かぶ利尻山を眺める。
抜海港(冬はアザラシが見られる名所)を過ぎ稚内へ向かう。
ガソリンが少なくなったので稚内で入れたが、リッター110円。札幌より10円以上高い。
稚内浜勇知
中央にうっすらと利尻山
9:30 稚内フェリーターミナル着。
だいぶ早く着いてしまったが我が家はいつもこんな感じ。時間にゆとりがないのは苦手だ。出航時間が近づいて人が増えてきた。観光客に混じって大学の大人数のパーティーも。
久しぶりのフェリーなのでわからないことが多く、待合所の観光案内の女性をつかまえて質問攻めに。往復割引で車輌航送チケットを購入したが、帰りの便は予約変更可能とのこと。明日利尻に登れたら予定より1日早く戻りたかったので一安心。
かっちゃんとは別れて15分前に車で乗り込む。2等船室の場所取りをしている方々を横目に、我が家は打ち合わせ通りデッキのイスに直行。短時間なので船室にいる気は毛頭無かった。潮風が心地良い。
このフェリーで利尻へ
11:10 稚内出航。
稚内フェリーターミナルの岸壁を離れて カモメにエビせんをあげる子供たち 旅は道連れ…利尻まで
久しぶりのフェリーで出航の瞬間はゾクゾクした。
ふと、昔上野や新宿から夜行電車に乗ったときの事を思い出した。電車の旅も同じでガタンと動き出す瞬間の快感は何とも言えない。これから行くんだなぁ〜って実感できる。北海道に来てからは経費のことを考えてほとんど車で移動しているが、そろそろ電車の旅もいいなぁと思う。
出航してからず〜っとカモメが付いてくる。そのうち子供たちがエビせんを手渡しで与え始めた。ロビーでは「カモメにエサをあげないで欲しい」という話を聞いたが、一方売店では一番目立つ場所にエビせんを山積みして売っていた。変だよなぁ〜。そのカモメたちは結局利尻まで付いてきた。毎日稚内〜利尻〜礼文と飛び回って疲れないのかな。港で魚を食べてた方が楽だと思うのだが…
やがて進行方向右には礼文島、正面には利尻島が見えてきた。フェリーから望む利尻山には雲がしっかりかかっている。午前中は対岸のサロベツ原野からハッキリ見えていたので、どうも上空の寒気の影響で午後からガスったらしい。明日も同じ天気予報なので、思い切った早出を決意する。
12:50 鴛泊到着。
とりあえず登山口の様子を見るため利尻北麓野営場に向かう。駐車場は登山者とキャンパーの車で一杯。空いていたらここで車中泊をするつもりだったが、利尻山も望めない林間なので取り止めにし沓形岬キャンプ場に向かう。
途中鴛泊のコンビニ(セイコーマート)で明日のかっちゃんの昼食用パンとクーラー用の氷を調達。利尻にも今年からコンビニができたということは事前に知っていたが、本当に助かる(沓形にも同じコンビニができた)。以前は普通の食料品店しかなく、高くて日付の古い食料品が多かった。
海沿いの道路には沓形まで並行してサイクリングロードがあり、車道と交差する所には駐車公園として綺麗なトイレも整備されていた。今夜の車中泊は登山口に少しでも近い駐車公園ですることにし、自炊のため沓形岬キャンプ場へ。
沓形岬キャンプ場は礼文へのフェリー乗り場にも近くファミリーやライダーで賑やかだった。海と礼文島と利尻山が望め景色も抜群。
沓形岬キャンプ場から望む利尻山
電話で天気予報を確認したら、明日から2日間が晴れに変わっていた。ラッキー!明日は絶対に登るぞ〜!
明日用のオニギリを作った後食事と散策をし、駐車公園に戻る。
大磯駐車公園は何故か我が家の車だけ。山行前夜なので静かな環境で寝られるのはありがたい。
夕方になると快晴になり正面には利尻山、そして背中には礼文島と海に沈む真っ赤な夕陽が・・・いいなぁ〜
大磯駐車公園からの夕陽
右の島影が礼文島
8:00 就寝。
夜中に起きてビックリ。夕方点いていたトイレの電気が全て消えている。サイクリング者用なので消してしまうようだった。誰も車中泊をしない訳だ。
それにしても利尻は虫が少ない。トイレにはあまりいないし車のライトに飛び込んでくる蛾も少ない。単に気温が低いからだろうか…

 8月7日 利尻山登頂へ


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